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在留資格「高度専門職2号」取得のための要件とその優遇措置について

高度専門職1号・2号

在留資格「高度専門職2号」取得のための要件とその優遇措置について

 

⑴ 概要(出入国在留管理庁HPより)

「高度専門職2号」の在留資格は、我が国の学術研究や経済の発展に寄与することが見込まれる高度の専門的な能力を持つ外国人の受入れをより一層促進するため、「高度専門職1号」又は高度外国人材としての「特定活動」(※参考①)の在留資格をもって一定期間在留した者を対象に、在留期限を無期限とし、活動制限を大きく緩和した在留資格として設けられたものです。
「高度専門職2号」の在留資格は、これらの外国人の中で、学歴・職歴・年収等の項目毎にポイントを付け、その合計が一定点数以上に達した人に許可されます(入管法第二十条の二(高度専門職の在留資格の変更の特則))。

 

※参考①

「高度専門職1号」…高度外国人材の活動内容を、「高度学術研究活動」、「高度専門・技術活動」、「高度経営・管理活動」の3つに分類し、それぞれの特性に応じて、「学歴」、「職歴」、「年収」などの項目ごとにポイントを設け、ポイントの合計が一定点数(70点)に達した場合に、出入国在留管理上の優遇措置を与えることにより、高度外国人材の我が国への受入れ促進を図ることを目的としています。

高度外国人材としての「特定活動」…平成27年4月1日に在留資格「高度専門職1号」と「高度専門職2号」が創設される以前に高度人材と認定された方については、法務大臣の指定により在留資格「特定活動」が付与されています。

 

⑵ 要件

高度専門職2号への在留資格変更許可の法律上の要件は、「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令」第一条および第二条に規定されており、以下のいずれにも該当していることが必要です。

 

ア 申請人が行おうとする活動について、入管法別表第一の二の表の「高度専門職2号」の活動に該当すること(※参考②:入管法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第二号

イ 入管法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令第一条の規定を適用して計算したポイントの合計が70点以上であること。

ウ 「高度専門職1号」又は高度外国人材としての「特定活動」の在留資格をもって本邦に3年以上在留して当該在留資格に該当する活動を行っていたこと。

エ 素行が善良であること。

オ 当該外国人の在留が日本国の利益に合すると認められること。

カ 申請人が本邦において行おうとする活動が我が国の産業及び国民生活に与える影響等の観点から相当でないと認める場合でないこと。

 

※参考②

入管法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第二号

前号に掲げる活動を行った者(高度専門職1号)であって、その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動

イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究、研究の指導又は教育をする活動

ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動

ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動

ニ イからハまでのいずれかの活動と併せて行う一の表の教授の項から報道の項までの下欄に掲げる活動又はこの表の法律・会計業務の項、医療の項、教育の項、技術・人文知識・国際業務の項、介護の項、興行の項若しくは技能の項の下欄若しくは特定技能の項の下欄第二号に掲げる活動(イからハまでのいずれかに該当する活動を除く。)

 

⑶ 高度外国人材の優遇措置について

高度外国人材に認定された方には、次の出入国在留管理上の優遇措置が認められます。

 

「高度専門職1号」の場合

ア 複合的な在留活動の許容(入管法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号ハ)

→ 通常、外国人の方は、許可された1つの在留資格で認められている活動しかできないが、高度外国人材は、例えば、大学での研究活動と併せて関連する事業を経営する活動を行うなど複数の在留資格にまたがるような活動を行うことができる。

イ 在留期間「5年」の付与(入管法施行規則別表第二)

→ 法律上最長。更新可。

ウ 在留歴に係る永住許可要件の緩和(『永住許可に関するガイドライン』)

→ 永住許可を受けるためには、原則として引き続き10年以上日本に在留していることが必要だが、高度外国人材としての活動を引き続き3年間行っている場合や、高度外国人材の中でも特に高度と認められる方(80点以上の方)については、高度外国人材としての活動を引き続き1年間行っている場合に永住許可の対象となる。

エ 配偶者の就労(「特定活動」告示33号)

→ 高度外国人材の配偶者の場合は、学歴・職歴などの要件を満たさない場合でも、在留資格「教育」や「技術・人文知識・国際業務」などに該当する活動を行うことができる。

オ 一定の条件の下での親の帯同の許容(「特定活動」告示34号)

・ 高度外国人材又はその配偶者の7歳未満の子(養子含む)を養育する場合

・ 高度外国人材の妊娠中の配偶者又は妊娠中の高度外国人材本人の介助等を行う場合

→ 上記2つの場合については、一定の要件(世帯年収800万円以上、親との同居、高度外国人材又はその配偶者どちらかの親であること)の下で、高度外国人材又はその配偶者の親(養親含む)の入国・在留が認められる。

カ 一定の要件の下での家事使用人の帯同の許容(「特定活動」告示2号)

→ 家事使用人の雇用は、在留資格「経営・管理」、「法律・会計業務」等で在留する一部の外国人に対してのみ認められるところ、高度外国人材については、一定の要件の下で、外国人の家事使用人を帯同することが認められる(「入国帯同型」、「家庭事情型」および「金融人材型」があり、それぞれ要件が定められています)。

キ 入国・在留手続きの優先処理

→ 他の在留資格より標準処理期間が短いです。出入国在留管理庁HPに掲載されています(在留審査処理期間(日数)の公表について(令和4年4月1日~令和4年6月30日))。

 

 「高度専門職2号」の場合

ア 「高度専門職1号」で認められる活動のほか、その活動と併せて就労に関する在留資格で認められるほぼ全ての活動を行うことができる。「高度専門職1号」の在留資格と異なり、所属機関について法務大臣の指定を要しない(入管法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第二号)。

イ 在留期限が「無期限」になる(入管法施行規則別表第二)。

ウ 上記「高度専門職1号」の場合のウ~カの優遇措置が受けられる。

 

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